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工場の天井裏結露対策はお任せください。設備担当者様必見、湿気除湿対策
こんにちは。
山下電機システムの原口です。
今回の工事は、某大型食品工場内にて天井裏の結露対策として、
天井裏に除湿専用空調機を施工させていただきました。
この『天井裏の結露』、頭を悩ませている工場設備担当者様も多いかと思います。
今回のお客様もまさしく「食品工場」で、夏の梅雨時になると毎年、天井裏で「大結露」が起こり、「大結露」はやがて小川になり、その川の流れが天井点検口の隙間から階下の食品製造ラインに滝となって滴り落ちてくるという始末(^^;
結露水は結露した時点ではそんなに汚くはないかもしれませんが、天井から垂れてきた水が万が一でも食品に触れてしまうようなことがあれば一大事です。
袋の中でカビが繁殖した商品が消費者の目に触れようものなら終わりです。
今の時代、たちまちSNSで悪い噂は広まり、直ちに保健所からの営業指導、営業停止命令、最悪は親会社からの契約解除なんてことも考えられます。
ですから、そんな最悪の事態になる前に、今、結露対策が急務であると気がついている時点で早く手を打つべきかと思います。
大手ゼネコンでも結露しない工場は設計できない
今回の某食品工場様は、もちろん大手のゼネコンさんが建設しています。
しかし、食品工場の空調衛生設計は「建ててみないとわからない」ということが多々あります。
マイナス20°の「急速冷凍室」もあればプラス5°前後の「冷蔵室」や「解凍室」、共用部は20°前後の設計であることが多いですが、様々な温度帯の部屋があることはもちろん、「炊飯室」など高温で高湿度の部屋もあれば、「揚げ場」も「洗い場」もあります。
場合によっては「発酵室」なんかもあるかもしれません。
様々な気温、湿度の部屋があり、それぞれの部屋に求められる環境があり、その「様々な環境」の部屋を全て外壁で覆って一つの建物ができているわけですから、そこで「絶対に結露しない設計」というのはもはや『永遠のテーマ』とも言えるくらい難しいことなのかもしれません。
さらに天井裏ともなると、それらの「様々な環境」に必要な設備が全てごちゃ混ぜになっていますから、蒸気配管もエアー配管も空調配管も吸気ダクトも温水配管も複雑に絡み合ってもう何がなんだかよくわからないことになっているところも多いです。笑
新築の食品工場の天井裏ですら結露しているんですから、もう、天井裏の結露は設計段階では完全に防ぐことはできないと諦めたほうがいいでしょう。
大手ゼネコンさんもバカではないはずですから、工場の天井裏が結露しやすい構造であることは百も承知のはずです。
これまでの経験から、「何か結露対策をしなくてはならない」とは考えているはずです。
でも、新築の工場でもまだ結露しているってことは、結局「具体的な結露対策なんかされていない」ってことの証明だと思います。
なので、今はまだ、設計段階で解決できる問題ではないということですし、正直、今まさに、結露問題に直面している設備担当者さんにとっては、設計がどうとか新築がどうとか言ってる場合ではなく、この目の前の水滴をさっさとなんとかしなければならないという「切迫した状況に変わりはない」ということだと思います。
ということで、次章で具体的な結露対策を紹介したいと思います。
除湿機でもなく送風機でもなく、答えは空調機
産業用除湿機を天井裏に入れているところも少なくありませんし、天井内の空気の循環を目的とした送風機なんかもよくみられます。断熱材を入れたり、屋根をもう一枚施工した事例なんかも耳にします。
しかし、それでも結露を完全に防ぐことはできないでしょう。
まず産業用除湿機ですが、除湿機は天井内の温度を上げてしまいます。
詳しい仕組みは省略しますが、除湿機の最大の欠点は除湿をする代わりに放熱が発生するので、結局、除湿した分、結露しやすい環境を自ら作り出すことになります。
実際、除湿機を入れたところでどうでしょうか?
完全に結露が解決したという話を聞いたことがありませんし、除湿された排水を見て、設備担当者はなんとなく「一定の効果はあった」と自分と会社を無理やり納得させているに過ぎないんです。
ほんの少しの結露であれば除湿機でも解決することはあるかもしれませんが、大型食品工場での天井裏の結露問題を解決することはできないでしょう。
続いて送風機ですが、送風機で循環させたところで・・・と考えます。
結露の条件は「雰囲気温度」と「湿度」です。
仮に、高気密高断熱の工場だとしましょう。
外気の進入はないと仮定して、それでも結露しているのだとすると、工場内で発生する冷気と暖気の温度差、工場内で発生する湿気による結露と断定できると思います。
高気密高断熱で結露しているのだとすれば、それはもう送風機で空気を循環させたところでなんの意味もないというか、むしろ結露を促進させカビの胞子を撒き散らす可能性すらあります。
逆に、外気がどんどん侵入する環境ではどうか?
それも空気を循環させることにより、外気を取り込み続けるという意味で根本的解決は難しいでしょう。
一般住宅の床下とは訳が違いますから、単純に空気を循環させればいいという問題ではなく、冷凍室などから床や壁を伝ってくる冷気をいかに外気に触れさせないか?という大きな命題を抱えている問題なのです。
じゃあ答えはなんなのか?
それは『除湿空調機』、つまりエアコンです。
除湿機だと天井裏の温度を上げてしまいますが、エアコンであれば冷媒システムを使って天井内の温度を下げ、さらに除湿も可能となります。
除湿をしつつ、温度を下げる。
天井内の温度が下がれば当然、温度差による結露は発生しにくくなりますし、空調機でもあるので天井内の空気の循環も行うことができます。
さらに、エアコンも普通の業務用エアコンではなく、
「ビルトイン型マルチルームエアコンフレキシブルダクト仕様」
のエアコンです。
簡単に説明させていただくと、天井内にデッキハンガーを使って天吊型のような感じでエアコン室内機を吊り下げます。
室内機には冷媒管とドレン配管とフレキダクトが繋がっています。
冷媒管は室外機に接続されており、熱交換機を通って天井内の熱は屋外に排出される仕組みです。
ドレン配管は室内機で除湿した天井内の湿気を屋外に排出します。
フレキダクトはエアコンの冷気吹き出し口だと思ってください。
それが室内機から3方向に伸びていて、結露の多い場所までピンポイントで持っていきます。
一台3方向で足りない場合はそれを3台4台5台と増やしていけば、ダクトの数も9方向、12方向、15方向と増えていきます。
フレキダクトですから、後からいくらでも自由自在に吹き出し方向を変更できますし、フレキダクトの長さも自由に伸ばしたり短くしたりできます。
天井裏でも結露の多い場所というのは決まっています。
天井裏全体が結露しているということはまず考えられないと思いますので、「いつも結露しているエリア」というのは大体決まっているはずです。
なので、大掛かりな空調設備も大量の除湿機も必要ありません。
特別なルームエアコンをいくつか設置するだけでいいのです。
結露の多いエリアに均等に室内機を設置して、その周辺温度を下げてやる。
それで一旦様子を見て、特に結露がひどい場所があればそこに対して重点的にエアコンの乾いた冷風を送ってやります。
冷凍室の冷気が強く出ている場所の雰囲気温度と湿度を下げれば、それが外気なり天井裏空気なりが直接触れることのできない「予備室」の役割を果たし、長年頭を悩ませていた結露を解決することができます。
ルームエアコンで施工した理由
まず、僕らは施工性とメンテナンス性を考えました。
天井裏にアクセスするには450角と600角の点検口しかなかったからです。
あとは屋外の排気ダクトを一旦バラせば搬入はできそうでしたが、搬入したところで、大きな機械だと結露しているエリアまで狭くて運び込むことができませんでした。
一番狭い場所では天井と大梁の隙間が25センチしかない場所などもありました。天井裏は障害物レースみたいになることも多いです(^_^;)
点検口から搬入できるくらいコンパクトである方が施工性もいいし機械更新時や何かあった時のメンテナンス性、将来的なこともちゃんと考えなければなりません。
工場が稼働し続け、ラインが止まらない限り結露も止まることはありません。
それはつまり、除湿空調機も止まることを許されないのです。
機械寿命なんてせいぜい10年くらいですし、工場などで24時間フル稼働させていれば寿命はもっと短くなります。
僕ら施行する人間はちゃんと更新のことまで考えなくてはなりません。
「やっておしまい」ではダメです。
プロなら、お客様に一生、寄り添うつもりで工事しなければなりません。
新設時に多額のコストがかかる、それはつまり、費用はもちろんですが、天井をバラしたり、壁をバラしたり、大変な思いをすればするほど、
『後が大変になる』んです(^_^;)
現場の結露の状態を見て原因究明をし、お客さんの言うことは一旦置いといて、僕らが自分たちの目で見て、図面を書き、空調屋、電気屋、メンテナンス、メーカー、さまざまな分野のプロを集結させ、検討に検討を重ねた結果、僕らが出した答えはルームエアコンだったのです。
施工費は3600万円
お客さんは大手プラントメーカーさんに相見積もりを出しました。
そして、その見積もりの金額を聞いて僕らは仰天しました。
なんと3600万円の見積もりが出てきたのです。
詳しい内容は見てませんが、とにかく大掛かりな工事をするとのことでした(^_^;)
設備担当者さんも社長さんも苦笑いでした。笑
〝なんとかこれより安くやってほしい…〟
切実な願いでした。
でも、大手プラントメーカーさんのことも痛いくらいよくわかります。
そもそも、自分たちの作った建物の欠陥だということは置いといて、やはり大手さんはとにかくお金がかかります。
やるからには失敗できないでしょうし、やるからには大きな設備を入れて、人数を入れて、会社の利益も考えて….とやっていたらどんどん金額が跳ね上がっていくことはもう仕方のないことです。
でも、「じゃあ、あんたら建設してよ」って言われても僕らでは無理です(^_^;)
だから、こういう問題は適材適所なんですよね。
大手さんは大きい事が向いてるし、それは大手さんにしかできない事です。
僕らは建設はできないけど、中小企業の利点である機動力を活かして小さいなりにお客様に寄り添う事ができます。
具体的には、「大手さんより早く安く問題解決できる」という事です。
少数精鋭なので人件費を抑えられますし、その場で図面を書いてその場でお客様に提案ができます。弊社は基本的に、「社に持ち帰って検討します…」という事がありません。
自慢ではないですが、弊社社長は天井裏にパソコンを持ち込んで現場の中で図面を書くような人間です。笑
だから、早いし安いんです。
で、ですね、そんな弊社が出した金額は全部で1500万円でした。
除湿空調機設置のほかに、スラブデッキのウレタン吹き付け作業や、その他の設備配管のやり変え費用、今後のメンテナンス性を考えて天井裏照明設置作業などなど含まれていますが、とにかく全部で1500万円でした。
もちろん、設置環境や工場の規模、結露の量などでいくらでも費用は変わってくるので、貴社の工事費が具体的にいくらかは見積もりをしてみないとわかりませんが、とにかく相見積もりしてみてください。
今回でいえば、室内機は全部で10台、冷媒配管長はトータルで300mにもなり配管作業は大変でしたが、結露しているエリア全体の空気を冷やすことに成功し、特に結露がひどい場所にはピンポイントで吹き出し口を調整し、1500万円で大手さんの半分以下の費用で結露問題を解決することができました。
弊社が大切にしていること
申し遅れましたが、弊社のメイン事業は機械電気設備です。
主に、大規模プラントの機械電気を得意としていて、日本全国のプラント工事を請け負っています。
プラント電気というのは電気屋の中でも少し特殊で、よく機械屋さんから依頼が来るのですが、大体が他で断られたお客さんばかりです。
「どこの電気屋さんも工事を請け負ってくれなくて困っていた…」
そんなことを開口一番で仰るお客さんばかりです。
それくらい特殊な電気工事を行なっているのですが、弊社はそういう工事が大好きです。笑
他所がいくらできないと言ってもお客さんは困っているわけですから、なんとか解決してあげたい思いますし、できない言い訳を考えるより
「どうやったらできるか?」
ということを常に考えていきたいと思っております。
そして、柔軟に、前向きに解決方法を探っていけば案外なんとかなるものです。笑
最悪、弊社が赤字になってもいいんです。
お客さんと同じ場所に立って、一緒に頭を悩ませて、一緒にチャレンジしたい。
そう願っております。
だって、いくら口で「お客様に寄り添う」と言っても自分たちは無傷で、お客さんだけ血を流してたら嘘になるじゃないですか。
だから万が一、お客様が血を流すような時は、弊社も同じように血を流します。
それでこそ本当の意味で「お客様に寄り添う」ことだと認識しております。
お客様と同じように頭を抱え、どうしたらいいかを一緒になって考えるからこそ、解決した時の喜びも一緒になって喜びたい、問題を解決することがゴールですが、弊社はそのゴールに至るまでの過程を一番大切にしています。
信頼やパートナー、いろんな言葉はありますが、お客様と最後に固い握手を交わしたい。そんな瞬間を味わいたいから一生懸命仕事をさせていただきます。
『今回使用したダイキンマルチエアコン』
『天吊型で天井から吊り下げるので邪魔になりません』
『3方向へのフレキダクト吹き出しが可能です』
『狭い場所でも設置可能』
『結露がひどい場所には一点集中できます』
『結露が酷かった場所はしっかり乾きました』
『滝のように結露水が垂れていた点検口』
『室外機は壁掛け可能なくらい小さいです』
『小さいので2段置きも可能です』
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